抄録
近年の企業情報システムはダウンサイジングの結果, クライアント・サーバ/システムの浸透が進み, 簡易開発ツールによるシステム構築も多くみられる. また産業界は競争激化に伴い, システム構築にいっそうのスピードを求めている. そのような状況では, 従来個人差が大きいとされてきた小規模システム開発についても, 適切なプロジェクト管理を行うことが重要になっている. 本研究では, 要求定義を伴うシステム構築プロジェクトで, 開発環境(ツール)にLotus Notesを使用する計35プロジェクトの開発者やリーダーから収集したデータを, 基本統計手法を用いて分析した結果について報告する. 「要求定義」「変更管理」「プロトタイピング」などについて特長的な傾向があること, および遅延を避ける上で重要なポイントがあることが明らかになった.