抄録
アウトソーシングとういう領域は, 通常のプロジェクトとしての定義からすると特異なパターンに属している. その理由は, 明確なアウトプットが存在するわけでなくお客様に対してサービスという無形のアウトプットを提供する点にある. プロジェクト・スコープという観点ではアウトソーシング契約書に依存することになるが現在の日本の状況では, 契約書の中で提供するサービス範囲の細部に渡って網羅しているわけではない. 現プロジェクトの経験事例として曖昧な契約条件より発生する種々の問題から正常な運用を開始するためのアウトソーシングのトランジション・マネジメントに求められる要件につき述べる.