抄録
ITプロジェクトのトラブルの要因には, 受託側と発注側のスコープに対する認識の相違に起因するものが多い。見積の実施および契約交渉時には発注側は詳細の要件を提示できる状況に無く, 受託側も受注競争の厳しさもあり無理な見積を曖昧な表現で提示することが, 我が国のIT業界において半ば習慣化していることが原因である。受託側が発注側に提供するサービスの内容を記述したサービス仕様書を契約時に取り交わすことにより, この問題の解消や軽減を図ることが可能である。本論文ではその具体的な内容及び効果について述べる。