抄録
現在NTTコムウェアでは, RUP(Rational Unified Process)[1]を全社的な作業標準として全社展開を進めている. RUPの目的は, 遍く広く様々なシステム開発を前提とし, 高品質なソフトウェアの開発方法を提供することにある. ところが, その幅広い記述のため, 本来はプロセス・フレームワークとしてプロジェクト毎に適合させるはずにも関わらず, 額面どおりヘビーウェイトプロセス[5]のカテゴリが与えられている. そこで, 我々は高品質を維持しつつ柔軟さと素早さを身に付けることを目的とし, RUPのカスタマイズ指針を得るための検討を行った. 本論文においては, 我々が得た効果的にRUPを適用するための実践的なカスタマイズ指針を提案する.