抄録
IBM Rationalは,ソフトウェア開発方法論として,Rational統一プロセス(以下RUP)を提唱している.RUPは,テクニカルプロセスであり,オブジェクト指向やコンポーネントベースのソフトウェア開発分野におけるベストプラクティスの集成といえるものである.本論では,従来型の成功したテクニカルプロセスを参照・比較しながら,RUPのベストプラクティスを解説する.背景にあるテクニカル分野固有の開発特性を明らかにすることにより,両者の相違点の多くが,各々の対象分野固有の課題に由来したものであることが示される.