抄録
政府調達制度の見直しの一環として,プロジェクトマネジメント手法の一つであるEVM(Earned Value Management)の導入が検討されている.また,「プロジェクトマネジメント研究会報告書」(平成14年3月プロジェクトマネジメント研究会)や「業務・システム最適化計画について」(平成15年12月ITアソシエイト協議会)においても,EVMが紹介されている.これらに伴い,当社でも平成14年度よりEVMの活用方法及び有効性を検証してきた.EVMを使用して正確なマネジメントを実施するためには,精度の高い計画が重要であるが,当初,安全余裕をべ一スラインに含めたことにより,計画と実績に著しい乖離が生じた.そこで,バッファを含まないベースラインを作成するために,EVMにクリティカル・チェーン法の考え方を取り入れた.本論文では,EVMにおけるクリティカル・チェーン法の活用方法について説明し,その有効性について検証する.