抄録
(株)NTTデータ公共システム事業本部では,組織全体としてのプロセス改善活動に取り組んでいる.その際,本事業本部を構成する10の事業部それぞれをプロセス改善の組織単位とした.各事業部が抱えるプロジェクトは,システムの種類・規模および組織の特性,プロセスの成熟度が異なるため,組織として統一した方針を示しつつも各事業部の多様性を考慮した形でプロセス改善活動を実施している.現時点での成果として,複数の組織がCMMI(Capability Maturity Model Integration)のレベル3達成を公式に確認された.また,ある事業部の重要な課題に対してCMMIに基づかない方法でプロセス改善を実施した組織もある.本論文では,このような複数の特性をもつ組織におけるプロセス改善の取り組み事例について紹介する.