抄録
高いレベルのプロジェクトマネージャのコンピテンシー向上に有効な方法の一つとして,「コミュニティ」の活用が,提唱されている.しかし,コミュニティの定義やその運用はさまざまである.また,組織横断的なコミュニティの継続的運営の難しさも影響して,コミュニティの効果は必ずしも明確ではない.また,コミュニティ内で活動するメンバに求められるスキルや活動の動機付けは明らかになっていない.そこで,本稿では,企業や公的組織で実施されているコミュニティの事例に基づいて,コミュニティの形態とその効果を組織の視点からまとめる.さらに,コミュニティ参加者の個人の視点から,コミュニティを活性化するために必要な個人のコンピテンシーや動機付けを考察する.これらの考察に基づいて,コミュニティを活用したプロジェクトの実務活動の改善及びプロジェクトマネージャの能力向上を提言する.