抄録
リスクと課題の定義は異なるが,プロジェクトの現場では課題をリスクと区別なく使用している場合も多い.課題を考えるとき,課題の認識だけでなく,商品価値に重要な仕様達成や納期までの解決などの視点から,課題解決の困難度も同時に考え,達成や解決が納期までにできなない可能性があるときはリスクと認識される.つまり,課題そのもの認識に加え,同時に課題解決のリスクを認識することが課題とリスクがあまり区別なく使用される理由であると考えられる.さらに,解決の困難度が高く,納期までにできない可能性のあるリスクの高い課題を重要課題と定義し,通常課題トラッキングリストとリスク・トラッキングリストに加え,この重要課題トラッキングリストを中心に重要課題に対する対策や状況のトラッキングすることは進捗マネジメントに有効であることを論じた.