抄録
プロジェクト環境の生産性向上の方法として,制約理論(TOC)のクリティカル・チェーン・プロジェクト管理(CCPM)がある.この本手法をITプロジェクト環境へ適用した.適用結果として一定の期間短縮効果は確認されたが,組織としての生産性向上にはいたらなかった.組織としての生産性が向上できなかったのは, CCPMの適用の狙いがプロジェクト単体の期間短縮にとどまったのが原因である.真の生産性向上を実現するためには, CCPMによる効果を現実の収益に結びつけることが必要となる.このための条件としての時間の有効活用とリソースの有効活用について考察し,その実現方法を提案する.