抄録
顧客要求に基づき製品やシステムを提供する受注型ビジネスでは,受注契約前の意思決定の高度化がトラブル防止に重要である.そこで,収益変動抑制効果の高いリスク対策の誘導を目的とし,受注契約前のリスク要因評価結果をもとに,プロジェクトの収益変動を予測し,その収益変動を抑制するためのリスク対策優先項目を抽出する方式を開発した.本方式の特徴は,遺伝的アルゴリズムを用いて,効果が高いと推定されるリスク対策優先項目の組合せを探索する点である.本方式の抽出性能について,システム開発プロジェクトの実データで検証し,開発方式の有効性を確認した.