抄録
日立グループでは,全社的な課題である不採算プロジェクトの撲滅を目的にフェーズゲート施策を全社に展開している.日立グループの事業内容が多岐に亘るため,推進にあたっては,フェーズゲートを先行適用して成果をあげている事業部門をベストプラクティスとして分析し,独自に「フェーズゲート成熟度レベル定義表」を開発した.この定義表をもとに対象事業部門の成熟度を評価し,改善を促進する活動を行った.その結果,フェーズゲートは,多くの業種や開発形態で組織のガバナンスを効かせ,プロジェクトをコントロールする仕掛けとして有効であることが検証できた.また,プロジェクトマネジメントを強化するきっかけとしても有効に作用することが確認できた.