プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
2011年度春季
セッションID: 1102
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1102 あるパッケージ開発の失敗と対応について(一般セッション)
小阪井 義則
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抄録
本論文では,新規パッケージ開発プロジェクトで発生した問題への対処について紹介すると共に,よりよいパッケージ開発手法についても言及する.当該プロジェクトでは,ファーストユーザを「パイロットスタディ」と位置づけ,パッケージ開発担当内においてファーストユーザ向けカスタマイズ開発も実施した.しかしながら個別システムインテグレーション開発の手法をそのまま用いたので,パッケージ開発そのものと適用カスタマイズ開発の境界が曖昧となり,複数ユーザへの展開期に,これが原因による故障が相次いだ.我々は,これらの故障に対し,主な原因を現場の視点で分析し,対策を工夫して実施することで解消し,プロジェクトの立て直しを図ることができた.本稿では,これらの対策を具体的に説明する.また,このプロジェクトから,パッケージ開発には,個別システムインテグレーションとは異なる視点が必要であることと,開発フェーズの進行に伴い,プロジェクト形態を開発サイドだけではなく販売サイドを含めて総合的に変化させる必要があることを学んだ.本稿では,この点についても具体的に説明する.なお,発生した故障への対策は,結果から見れば基本的なものなので,パッケージ開発以外のプロジェクトにも,ソリューションになると思われる.
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© 2011 プロジェクトマネジメント学会
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