抄録
今日,高齢化社会の到来とともに,高齢者の介護がひとつの社会問題となっている.高齢者へのケアに加え,介護役を担う家族のメンタル・ケアも重要である.特に,末期医療を伴う介護の場合,家族をはじめとする周囲のステークホルダーの明るい対応が,被介護者の思い・安らぎにつながる.介護をパーソナル・プロジェクトとしてとらえ,モダン・プロジェクトマネジメントの知識と技法を用い,より良い介護を実現する.本稿ではステークホルダーとコミュニケーションのマネジメントを中心に,介護プロジェクトにどのようなプロジェクトマネジメント知識と技法の適用が効果的かについて,実ケースを参考に考察,提案を行う.