プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
2013年度秋季
セッションID: 2112
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2112 「地域医療を守る」 : お客様と医療のあるべき姿を共有して(一般セッション)
浅野 大亮
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抄録
地域医療の経営困難・衰退問題は現在の医療業界において大きな問題となっている.A病院は2012年3月で運営を終了し,後任として別協会が運用を継続.電子カルテをはじめとした医療情報システムの導入を3カ月で行う超短期導入が必要となる中,我々は「モデル病院の運用・機能をそのまま導入する」という手法を用いた.実際に稼働中である病院の資源と運用をそのままの形で提供するというこの手法は,お客様にも納得できる形でシステム構築を行い,一定の品質を保持しながら短期構築が実現できた.しかしながら,新病院を開院する中でお客様は様々な課題を抱え,システム以前に病院自体をも継続できないような状況が発生していた.我々はそれぞれの課題について病院とリスクを共有し,解決されない場合のシナリオやそれに関わる準備の提案,職員配置の調整をはじめ,病院稼働を迎えるためにあらゆるパターンを見越してお客様と合意しながら準備を進めた.お客様に与えられている背景の中で最大限にできることをお互いに創出し,新病院の稼働を迎えることができた.「医療を守る,病院を継続する」という一つの目的を実現するためにお客様も様々な提案を受け入れ,無事本稼働を迎えた本プロジェクトは「お客様の良きパートナー」として一つの結果を生み出した.
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© 2013 プロジェクトマネジメント学会
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