プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
2013年度春季
セッションID: 1305
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1305 サービスレベルに基づくクラウドシステムのマネジメント方法(一般セッション)
井ノ口 紗佑里宮本 佳奈湯浦 克彦
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会議録・要旨集 オープンアクセス

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抄録
クラウドシステムの一形態としてSaaS (Software as a Service)の普及が進んでいる.必要とするシステムの品質を維持する方法としてサービスレベル管理が用いられているが,従来のサービスレベル管理では技術要件の項目のみを扱っているため,SaaSが提供するアプリケーションの業務的品質を管理することが困難であった.本研究では,従来提案されている技術要件に関するサービスレベル項目を実システムに適用し,品質の「見える化」の効果を検証するとともに,財務会計システムを例として業務要件に関するサービスレベル項目の拡張を行った.財務会計のプロセスとデータの関係をモデル化し,そのモデルに従って,業務プロセス毎の性能要件,機能性・利用性などソフトウェアの要件,あるいは業務遂行のスピード・正確性・リスクに関する要件を抽出した.さらに,技術要件および業務要件の両者を含むサービスレベル項目表の概念の理解をもとに,顧客へのヒアリング,SLA案の作成,顧客とサービサー技術者との合意形成を経て,サービスレベル管理者が継続的にサービス品質を管理していくための手順と必要書類を明らかにした.以上の開発の状況とともに,今後適用評価と改良拡張を進める方向について述べる.
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© 2013 プロジェクトマネジメント学会
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