抄録
情報システム開発のプロジェクト管理において,ある問題を解決もしくは発生を防止しようとした時,有識者は,同じようなパターンの行動とる.この行動パターンを文書に記し共有することにより,経験の少ない担当者が,経験の豊富な有識者のノウハウを活用し,適切なプロジェクト管理を行いやすくなる.株式会社エヌ・ティ・ティ・データ(NTT DATA CORPORATION)では,IT基盤領域において経験豊富なプロジェクトマネージャや技術者のノウハウとしての行動パターンを文書に記し共有する取組みを行っている.共有されたパターン集は,情報システム開発プロジェクトのリスク削減に寄与している.本論文では,この取組みの1つである「アンチパターンの整備」活動を通じて情報システム開発のノウハウ共有方法としてのパターン整備手法を紹介し,その効果について考察する.