プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
2013年度春季
セッションID: 1106
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1106 リスクマネジメントベースによる複雑性プロジェクトへの対応 : PDCA至上主義神話からの脱却(一般セッション)
竹久 友二
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会議録・要旨集 オープンアクセス

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抄録
プロジェクトマネジメントの基本はPDCAであり,綿密な計画を作り計画通りに進むようにプロジェクトをコントロールする事である.しかしプロジェクトを取り巻く環境変化が激しい現代において,プロジェクトが目標とする最終成果物の仕様を当初に確定する事は実に難しくなってきている.リスクマネジメントはプロジェクトの骨であるプロジェクト計画を中心軸にし,計画時の前提条件や想定される不確定事項を予めリスクとして識別し対策を立てプロジェクトの節目でチェック&アクションを繰り返すマネジメント活動である.これをそのまま複雑性プロジェクトに当てはめると,リスクマネジメントコストが膨大となり,プロジェクトスコープの変更を含むチェンジコントロールが頻繁に発動される恐れがある.ここで,リスクマネジメントを,計画通りにプロジェクトを是正するためのPDCAプロセスと捉えずに,プロジェクト実行中の中心的,かつ日常的なマネジメント活動と捉えることで,ステークホルダーのストレス(スコープ変更要求に対するアレルギー反応)を激減し,プロジェクトの形式的な計画策定活動を効率化し,ひいては最終ゴールの価値増大が期待できる.本稿は,リスクマネジメントベースにプロジェクトを運営する柔軟性を兼ね備えたプロジェクトマネジメントについて提案する.
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© 2013 プロジェクトマネジメント学会
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