SPring-8/SACLA利用研究成果集
Online ISSN : 2187-6886
Section B
硬X線光電子分光法を用いたマンガン系リチウム電池材料の電子状態変化の解明
駒場 慎一藪内 直明青木 良憲吉川 武徳孫 珍永陰地 宏
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ジャーナル オープンアクセス

2013 年 1 巻 2 号 p. 71-73

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抄録

電気自動車用途を志向した次世代大型リチウムイオン二次電池正極材料の候補として挙げられているLi2MnO3系材料について、高輝度放射光X線を用いたHAXPES(Hard X-ray Photoemission Spectroscopy)測定を行い、当該材料の充放電反応機構の解明を試みた。標準試料の測定からマンガンが4価以上の高酸化状態となる場合には明確にMn 1s、Mn 2p光電子スペクトルがともに高エネルギー側へとシフトすることが観測された。しかし、Li[Li0.2Co0.13Ni0.13Mn0.54]O2の充電時においては、明確なスペクトル形状の変化は観察されず、今回の結果からマンガンが4価を超えて高酸化状態になることは無いという結論が得られた。

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