抄録
軽量気泡コンクリート(ALC)の主成分であるトバモライト(tobermorite 化学組成:5CaO・6SiO2・5H2O)の量と質は、その性能と密接な関係にあり、その反応過程を制御したALCの改良研究が、日本および欧州で活発になされている。そのような中で、我々が2009年および2010年の検討で得た知見(Alの添加効果など)の現場プロセスへの応用を念頭にAlを含有するフライアッシュ(FA、火力発電所から排出される石炭灰)の再利用検討を行っている。今回は、仕込み原料組成のCa/Si(C/S)比を変えることによって液中のイオン濃度の影響を検討した。
その結果、トバモライト生成のタイミングへの影響(C/Sが大きい方が生成タイミングが遅い)およびトバモライトの(002)面回折と(220)面回折の生成タイミングと成長速度に違いが明らかになった。