抄録
双性イオン高分子である Poly(3-(N-2-methacryloyloxyethyl-N,N-dimethyl)ammonatopropane sulfonate)(PMAPS)と、非イオン親水性高分子である Poly(hydroxyethyl methacrylate)(PHEMA)のポリマーブラシ薄膜における湿度に応じた水和水の量と水素結合ネットワーク状態を顕微赤外吸収分光測定により解析した。PMAPS 薄膜では、湿度に応じて水和水量が増加し、低湿度では水和水が弱い水素結合で相互作用した状態となり、高湿度において四面体構造が歪んだ状態の水が生じた。PHEMA 薄膜では、気相湿度に依らず分子鎖が水和しないことが示された。