抄録
本研究では、放射光による小角X線散乱法(SAXS)と極小角X線散乱法(USAXS)を組み合わせて、カーボンナノブラシ(CNB)とカーボンナノホーン集合体(CNHs)の構造解析を行った。その結果、CNB は、平均構造として二次構造が長さ数 µm、直径が数 10 nm の針状の集合体で、一次構造(一本の CNH)は、直径が数 nm であった。SAXS/USAXS 結果から得られた二次構造の長さは、走査型電子顕微鏡等で観察されたものより短いため、針状に伸びているというより、液中で湾曲して分散している可能性がある。また、一次構造は、従来から得られている局所構造観察から予想されるバルク構造とおおよそ一致していた。CNHs の二次構造は、単純な球状集合体というよりは楕円体のような構造であることが分かった。