動物の循環器
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原著
僧帽弁閉鎖不全症犬におけるvertebral heart size (VHS)と超音波パラメーターとの相関性
才田 祐人田中 綾山根 義久鈴木 一由丸山 理恵鯉江 洋松本 力浅野 隆司
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2006 年 39 巻 2 号 p. 55-63

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抄録
本研究の目的は,心の形態および機能評価に用いられるエコーパラメーターとvertebral heart size (VHS)を比較し,それらの間に相関性があるか否かを検討することにある。僧帽弁閉鎖不全(MR)の犬34頭をカルテより抽出し,心疾患が認められなかったビーグル犬18頭をコントロール群とした。VHSは,右側ラテラルX線画像より両群において計測した。VHSは,左心房-大動脈径比(LA/AO),拡張早期流入波,左房収縮期波,心拍出量-体表面積比(CI),左室拡張末期容積-体表面積比(LVEdV/BSA),一回拍出量-体表面積比(SVI)および心拍数に対して有意な相関性が認められた。単回帰直線において,LA/AO,拡張早期流入波,左房収縮期波,CI,LVEdV/BSA,SVIおよび心拍数に相当するVHS値は,それぞれ9.8-10.7,9.8-11.2,9.3-10.7,9.2-10.8,9.2-11.7,8.5-11.5および7.8-12.4であった。
以上よりMR犬において,VHS値は左室容量負荷の病態と合致することが示唆された。
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© 2006 日本獣医循環器学会
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