抄録
コンクリートの結合材であるセメントは、水と混錬することで硬化し、様々なカルシウム水和鉱物を生成する。これらの鉱物の多くが可溶性で、セメント硬化体は地下水や雨水に触れた場合徐々に耐久性を失うと考えられる。含有鉱物の粒径は数マイクロメートルであり劣化の予測には、試料の鉱物の有無を含めた含有率とその形状を初期の硬化時や劣化における経時変化を時分割で知ることが重要である。これらの測定のため、単色光を用いたX線 CT とX線回折の連成観察手法の開発に取り組み、セメント硬化体の供試体の CT による内部構造と構成鉱物の同定が可能な回折プロファイルの取得を実現した。