抄録
磁性体の異方性に関する情報が得られる電子スピン共鳴法 (Electron Spin Resonance: ESR) と元素選択的かつ表面敏感測定が可能なX線磁気円二色性分光 (X-ray Magnetic Circular Dichroism : XMCD) を組み合わせた実験手法の開発を行った。電子スピン共鳴に伴う磁化変化をXMCDで検出するこの手法はこれまで低周波 (Xバンド) の電磁波が用いられてきたが、本実験ではより高周波である W バンド (95 GHz) での開発を行った。今回の実験では検出感度が足りず信号の検出には至らなかったが、課題と開発の方向性は明確になった。