抄録
反強磁性 α-Fe2O3 における磁気異方性は Morin 転移前後で変化するが、その転移温度は試料形状や元素ドープに影響される。本研究では、α-Fe2O3 薄膜に Ir ドープした場合のドープ量と転移温度の関係を放射光メスバウアー線源法で調べた。また、そのためにメスバウアー測定用のドップラー振動装置に装着できる小型軽量な高温チャンバーを開発した。本装置を用いて、厚さ 20 nm の α-Fe2O3(0001) 薄膜では Ir 量の増加とともに Morin 転移温度が上昇することを示した。