抄録
本実験ではタンデムスリット光学系を用いた位相空間強度分布測定により、アンジュレーター放射光の鉛直方向のビーム特性評価を試みた。タンデムスリットの2次元走査により計測した2次元強度分布から上流スリットのフラウンホーファー回折と下流スリットの開口幅の影響をデコンボリューション様の方法で除去し、ビームサイズと角度発散を求めた。鉛直方向のビームエミッタンスは 0.21 nm∙rad となり、分光器の振動を考慮した計算値(0.029 nm⋅rad)より約7倍大きい値となった。今後、正確な測定法や解析方法の改善が課題となった。