抄録
オーステナイト系ステンレス鋼は溶接部で応力腐食割れや疲労破壊を起こす事例があるため、溶接部の残留応力を把握することは重要である。そこで、鉄道車両で使用される SUS304 および、SUS301L-MT を対象にレーザ溶接とスポット溶接の残留応力に及ぼす影響をX線回折法により評価し、残留応力分布に影響する要因を SUS304 と SUS301L-MT の 0.2% 耐力および、SUS301L-MT の圧延時に導入される残留応力分布から考察した。また、これらの結果を基にレーザ溶接とスポット溶接の耐応力腐食割れ性について考察した。