抄録
高さ 1 μm 太さ 350 nm 程度の六角柱形状の窒化物ナノワイヤ側面に成長した Ga1-xInxN/GaN 三重量子井戸(Ga1-xInxN/GaN 三重量子殻)に対して、SPring-8 のX線ナノビームを用いた 1100 回折の逆格子マッピング測定を行ったところ、量子井戸からと考えられるサテライトピークとともに、6回対称の Crystal Truncation Rod 散乱が観察された。このことは、量子殻の側面が原子層オーダで平滑であるとともに、X線ナノビームが量子殻側面に照射されていることを示している。また、量子井戸のサテライトと同定したピークより、量子井戸幅と障壁層幅を加えた周期が 11.7 nm と見積もられた。さらに、下地の歪を無視すると、量子井戸の In 組成が x = 19.8 % と見積もられた。