抄録
脱窒菌 Achromobacter xylosoxidans の銅含有亜硝酸還元酵素(AxNiR)とその電子伝達パートナー Cytochrome c551(AxCytc551)の複合体結晶構造解析が報告されている。その立体構造から分子間電子伝達反応における分子認識と複合体形成時における酸化還元中心間の距離や配向などが明らかとなっているが、複合体を形成する前後で AxCytc551 分子にどのような構造の違いがあるかについて未解明のままとなっていた。そこで本研究では、分子間電子伝達機構の更なる理解を目的に、AxCytc551 単独(複合体形成前に相当する)の結晶構造解析を行い既報の複合体構造と比較することでその構造差異の有無について検討した。