抄録
今回、我々は単色X線を用いて非イオン性造影剤 (Iomeron350®) と混和したイミペネム・シラスタチンの生体下血管内動態を観察することに成功した。生体下でイミペネム・シラスタチン注入後に動脈塞栓効果があることを明らかにした。さらに塞栓後 60 分の観察で再開通を認めており、一時塞栓物質の性質を持っていることが判明した。Picibanil でウサギの耳介に炎症を惹起させており、同部位に炎症誘発血管が増生している状態も確認できた。イミペネム・シラスタチン自体の描出はできなかったが、正常血管での動脈塞栓から再開通までの経過を観察できた。塞栓物質注入の最適量、インジェクターでの造影剤の注入速度、注入量も確立した。