抄録
シノアイト(Si2N2O)の相関係を、マルチアンビル型装置およびレーザー加熱式ダイヤモンドアンビルセルを用いて、80 万気圧、2000K までの条件で決定した。その結果、シノアイトは6万気圧、1973K の条件下で、コーサイト(SiO2)と β-Si3N4 に相分解し、さらに、15.6 万気圧、2073K の条件下でスティショバイト(SiO2)と γ-Si3N4 に相分解することがわかった。さらに、この酸化物と窒化物からなる分解相は、80 万気圧、2000K の条件下まで存在することが明らかとなった。本実験結果は、理論計算で予想されていたシノアイト組成の酸窒化物高圧相が存在しないことを示唆している。