抄録
サファイア基板上に成長した Ga1-xInxN/GaN 五重量子殻に対して、X線ナノビーム回折法による構造解析を行い、その障壁層幅依存性を測定した。その結果、障壁層幅が 3.5 nm、6.3 nm、10.8 nm と広くなったときに、サテライト信号がより明瞭に観察されるとともに、量子井戸中の In 組成が x = 0.350、0.305、0.270 と低下していることが分かった。このことは、障壁層幅を広くすることで、振動子強度が増大するとともに、量子井戸中の In 組成が低下することで、より発光効率の高い量子殻が成長していると考えられる。