抄録
ウテログロビン (UG) はほとんどの脊椎動物に存在する分子量 16 kDa の球状タンパク質である。これまでに天然型のヒト UG (hUG) の構造は解かれているが、PDB への登録がなく詳細なアミノ酸同士の相互作用はよく分かっていない。そこで本研究ではリコンビナントの hUG (rhUG) のX線結晶構造解析を行った。その結果、rhUG は4本の α ヘリックスからなるモノマー2分子が逆平行に配向してホモ二量体を形成しており、モノマー間でのジスルフィド結合や塩橋、水素結合により安定化していることが分かった。また、ホモ二量体の中心部には疎水空間が存在しており、この疎水空間に化合物を内包することで rhUG をドラッグキャリアとして利用できるのではないかと考え、4種類の抗がん剤と rhUG との共結晶化と構造解析を試みた。