SPring-8/SACLA利用研究成果集
Online ISSN : 2187-6886
Section A
異常小角X線散乱による DNA 周辺の対カチオンの分布解析
佐々木 将太森本 康介伊藤 和之秋葉 勇
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2025 年 13 巻 3 号 p. 146-149

詳細
抄録
 DNA 周辺での Rb+ および Sr2+ の分布について、各カチオンの K 吸収端近傍の入射X線を用いた異常小角X線散乱により検討を行った。Rb+、Sr2+ は、DNA の周辺に二重らせんの軸方向に沿って、それぞれ数密度 2 nm-3 および 1 nm-3 に濃縮されることが分かった。また、Sr2+ の方が Rb+ より、コンパクトに DNA 周辺に濃縮されることが分かった。さらに、DNA が対カチオンとして Rb+ を持つとき、Sr2+ を共存させると、Rb+ が Sr2+ へ交換されるが、DNA 周辺の対カチオンの電荷が一定に保たれることが分かった。
著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top