抄録
キラル磁性体 YbNi3Ga9 は常圧では平均価数 2.6 価の非磁性金属であるが、臨界圧力 9 GPa 以上で価数転移を起こし、Yb3+ が安定化して転移温度 5 K の磁気秩序相が出現する。反対称磁気相互作用によるらせん磁気秩序と予想され、磁場中ではキラルソリトン格子の形成も示唆されている。粉末試料で格子定数の圧力変化を測定した後、ヘリウムガス圧による 10.1 GPa の圧力下で単結晶を用いた共鳴X線回折実験を行い、磁気回折の信号探索を行った。目的の信号発見には至らなかったが、圧力下実験での技術的蓄積が多く得られた。