抄録
自動車・建材向けの薄鋼板に防食目的の Zn めっき層を工業的に形成させる、溶融 Zn めっき鋼板製造ライン (CGL: Continuous Galvanizing Line) の溶融 Zn 浴中において発生する固形の金属間化合物のうち、Fe-Zn 系化合物のひとつである δ 相の晶出・成長挙動の把握を目的として、晶出過程のその場観察を行った。Al、Fe 成分を含む Zn 合金を高真空下で溶融し、等降温速度で冷却する過程において、過飽和となった浴中成分が固形の晶出物として核生成・成長する過程を、等時間間隔で透過像観察を撮影した。今回の実験では、狙いとしていた溶融 Zn 液相からの δ 相の直接の晶出は確認できなかったが、初期に Fe2Al5 が晶出し、これを核として Fe-Zn 系とみられる異相の金属間化合物が晶出 (不均質核生成) する挙動をその場観察することができた。