抄録
本研究では、有機絶縁材料の膜面内元素・構造分布の把握を目的として、SPring-8 BL17SU の光電子顕微鏡測定における帯電と試料ダメージの防止方法を検討した。有機薄膜を形成した試料基板上へ Pt、Cu、Au 薄膜を付与し、O K 吸収端近傍のX線吸収スペクトル測定を通して、Pt 0.5 nm 膜がスペクトルの品質維持に最適であることを見出した。今後は Pt 0.5 nm 付与の条件を用いて、有機材料の分析により有用な C K 吸収端X線吸収スペクトルの測定条件確立を進める予定である。