SPring-8/SACLA利用研究成果集
Online ISSN : 2187-6886
Section B
結晶3Dマッピング法を用いた多結晶金属材料の塑性ひずみの測定
中井 善一塩澤 大輝
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ジャーナル オープンアクセス

2015 年 3 巻 2 号 p. 457-460

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抄録
回折コントラストイメージを用いた結晶3Dマッピング法は、結晶の位置や形状,結晶方位などの組織観察を可能とする。本研究は、SPring-8において結晶3Dマッピング法を開発し本疲労損傷やクリープ損傷などを定量的に評価する手法を構築することを目的とする。本課題実験では、電動アクチュエータを用いた引張試験機を作製し、測定ステージ上で引張および繰返し負荷を与えながら撮影を行うことで、結晶3Dマッピング法による結晶の塑性ひずみの評価への適用性について検討を行った。引張負荷を変化させながら弾性域および塑性域の変形下における結晶マッピングを試みた結果、連続的に結晶の変化を観察することができた。さらに回折スポットが現れる角度範囲Δωdiffに着目すると塑性変形下では引張負荷が大きくなるほど各結晶におけるΔωdiffが大きくなることが分かり、これらの情報を用いて結晶ごとの塑性ひずみや損傷程度を評価することが可能になるものと考えられる。
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