SPring-8/SACLA利用研究成果集
Online ISSN : 2187-6886
Section B
マイクロビームXAFSによる窒化ガリウム系電子デバイスの界面状態解析
舘野 泰範飯原 順次米村 卓巳富永 愛子斎藤 吉広河内 剛志辻 幸洋大沢 仁志宇留賀 朋哉
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ジャーナル オープンアクセス

2015 年 3 巻 2 号 p. 464-468

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抄録
 窒化ガリウム系電子デバイス(GaN-HEMT)において、表面保護膜とGaNとの界面状態の評価を目的として、マイクロビームX線を入射した斜出射XAFS法による評価を実施した。GaN表面をO2プラズマ処理し、その表面に窒化膜(SiN)を堆積したサンプルで、SiN堆積直後のものと、それを高温アニール処理したものを比較したところ、SiN堆積直後にはGaN表面にGa2O3が存在するが、高温アニール処理によってこの酸化物層が金属状Gaに変化していることが確認できた。これは、過去に同じサンプルで行った硬X線光電子分光(HAXPES)評価と同じ結果である。
 また、GaN-HEMTのエピ構造において、周辺に何もない状態と比べ、金属電極に挟まれた領域ではGaN表面状態が変化しているらしいことが確認できた。この表面状態の変化は、SiNがGaNに及ぼす応力による結晶歪みの違いによるものと推定している。
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