SPring-8/SACLA利用研究成果集
Online ISSN : 2187-6886
Section B
高強度鋼の転動疲労き裂進展挙動のその場観察
牧野 泰三根石 豊中井 善一塩澤 大輝
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ジャーナル オープンアクセス

2015 年 3 巻 2 号 p. 479-482

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抄録
転動疲労は表面内部の介在物からき裂が発生・進展するため、介在物寸法や基地組織の高強度化などの転動疲労メカニズムにおける影響を直接的な観察に基づいて検討したものはほとんどない。そこで本課題実験ではSPring-8の放射光を用いたCTイメージングと新たに開発した小型転動疲労試験機を用いて、同一試験片について転動疲労き裂進展挙動を直接観察することを試みた。また、人工欠陥を導入した試験片に対して、開発した転動試験機を用いて、人工欠陥からの転動疲労き裂観察を行うことで、その場観察スキームの構築を行った。その結果、繰返し数に対するき裂発生および進展挙動を得ることが可能となった。さらに試験片形状を改良することにより、実際の介在物においても同一試験片を用いた転動疲労過程の観察が可能であることが明らかとなった。
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