抄録
本研究では、医薬品インドメタシン製剤を投与した後のマウス皮膚組織について、組織中の医薬品インドメタシンの濃度分布をBL43IRにおいて、スペクトル・マッピングにより測定した。サンプル中の各座標でのスペクトルデータから医薬品インドメタシン投与後の組織中の薬物分布が評価可能であった。得られた医薬品インドメタシンのカルボニル基のスペクトルによる吸収帯の強度分布より、血管組織周辺部に医薬品インドメタシンが集積していることが明らかとなった。本研究の結果から、組織中で識別可能な赤外吸収ピークを持つ医薬品は、医薬品投与後の組織切片を経時的に測定することにより、組織中における医薬品の移行性が評価でき、蛍光プローブ等による標識なしに、医薬品の体内動態が評価可能であることがわかった。