抄録
固体酸化物形燃料電池(SOFC)に用いるNi電極について、アンモニア及び水素含有N2ガス雰囲気で材料の窒化挙動をXAFS測定で解析した。5 ppmNH3-N2ガス雰囲気ではNi K-edgeのXANESスペクトルの変化は顕著でなかったが、アンモニアの完全分解を想定したガス(25%N2+75%H2)雰囲気で処理したサンプルのNi K-edgeのXANESスペクトルは、低温から低エネルギー側へのシフトが観察され、Ni電極の窒化の進行が示唆された。しかしながら、100%アンモニアガス中で処理した材料に比べてスペクトルの変化が小さいことから、アンモニアガスが完全分解したガス雰囲気下では、Ni電極の窒化反応が進みにくいことを明らかにした。