抄録
カーボンブラック(CB)で補強されたゴムの粘弾性特性に対するCBの分散構造の影響を調査した。CBと混錬した架橋ゴム(以下ゴムと省略)において、ブタジエンゴム(BR)末端に官能基を導入した変性BR(XBR)をブレンドすることで歪振幅増大に伴う貯蔵弾性率の低下が抑制されていることが確認されている。このメカニズムを解明するため、CB補強ゴムに微振幅加振(0.05–1.3%)を与え、加振状態でのCB分散状態でBL19B2において超小角X線散乱(USAXS)測定を行った。得られたデータの解析では、加振方向(θ //)と加振に対して垂直方向(θ⊥)に分けて、静的な状態の散乱プロファイルとの比較を行った。その結果、XBRを配合したゴムのθ //方向における q = 0.005–0.01 nm−1において、散乱強度が上昇し、q = 0.01 nm−1より大きい領域では、散乱強度が減少した。一方、θ⊥方向では全体的に散乱強度の低下が確認された。XBRを配合していないものは、θ//、θ⊥ 方向ともに散乱強度の上昇が認められなかった。以上の結果より、歪振幅増大による貯蔵弾性率の低下抑制に対して q = 0.005–0.01 nm−1における加振方向でのCB分散構造変化に着目することが重要であることがわかった。