SPring-8/SACLA利用研究成果集
Online ISSN : 2187-6886
Section B
保湿剤がヒト角層細胞間脂質の構造変化に及ぼす影響の検討(2)
羽深 朱里難波 美沙小林 加奈大畑 哲也山田 武八田 一郎
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 6 巻 1 号 p. 129-132

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抄録

保湿剤として汎用されるグリセリンや 1,3-ブチレングリコールの角層に対する保湿機構を解明するため、前検討でこれらを作用した角層の乾燥時の構造変化を小角・広角X線回折により測定した。その結果、保湿剤の種類により乾燥時の構造の変化に差は見られたが、湿潤時の影響をあわせて評価することの重要性が示唆された。そこで本検討では、保湿剤を作用した角層の湿潤、乾燥による一連の変化を連続的に測定する方法の確立に向け、検討を行った。試料セルに固定した角層について保湿剤の作用から乾燥までを同一の試料を用いて連続的に評価したところ、小角・中角領域に見られる角層構造の格子面間隔(d)は作用により拡大し、乾燥により縮小することが確認された。また、その変化は作用する保湿剤により異なった。今後、この方法を用いて保湿剤の影響の評価が可能と考えられる。

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