SPring-8/SACLA利用研究成果集
Online ISSN : 2187-6886
Section B
BL19B2のX線小角散乱装置におけるバックグラウンド低減の検討
佐藤 眞直
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 6 巻 2 号 p. 261-265

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抄録
BL19B2における極小角X線散乱(USAXS)測定、および小角X線散乱(SAXS)測定のバックグラウンド低減の為、真空パス等の測定装置の構成部品起因のBG源の特定、サンプル周りの空気散乱のビームパス長さ依存性の検討、真空パスの窓からの散乱プロファイルについて窓材(カプトン、スペリオUT、Be窓)による違いの検討を行った。BG源の特定についてはカプトンフィルムを散乱体としてUSAXS測定の光学系の途中に挿入し、BGプロファイルへの影響を検討することで行った。その結果、USAXS測定のサンプルを設置している第2実験ハッチ内がBG源になっている可能性が高いことがわかった。また、サンプル周りの空気パスからの散乱については、USAXS測定ではその長さ変更によってBGプロファイルに影響がほとんど見られないことからこの空気パスからの散乱のBGへの寄与はほとんどないことがわかった。一方SAXS測定ではこの空気パスを長くすると高q域のBGが大きくなる影響が確認された。真空パスの窓材からの散乱についてはスペリオUTフィルムがカプトンフィルム、Be窓よりもUSAXS、SAXS測定ともに十分に散乱が小さく、BG抑制に適した窓材であることが確認できた。
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