抄録
アニオン交換形燃料電池に用いられる電解質膜について、分子設計によりイオン交換基由来の親水性ドメインの制御を精密に行うことにより、必要とされるイオン伝導度と燃料・ガスバリア性の両立ができると考えている。今回、親水性ドメインのサイズを数値化することにより、性能との相関を取り、材料開発へのフィードバックを目的として分子構造の異なる電解質膜についてSAXSを用いた解析を行った。イオン交換基を付与する前の電解質膜はブロードな1種の相関長ピーク(48 nm)しか有さないのに対し、イオン交換基を付与した電解質膜は、2種の相関長ピーク(2.7 nm, 25 nm)を有しており、含水による相関長増加が確認できた。