抄録
文書類から記載に用いられた筆記具のメーカー名、製品名を推定する試みについては、一部を切り取ってインク等を抽出し、薄層クロマトグラフィー(TLC)、液体クロマトグラフ質量分析(LCMS)、顕微フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)、ラマン分光等で分析する手法が研究されてきたが、2000年以降は破壊を伴わない分光的分析手法が主流となってきている[1]。 今回は、通常のグローバー光源を用いる顕微FTIR分析に比較して輝度が二桁程度高い赤外放射光を用い、アパーチャにより 2 μm に絞っての透過法による顕微FTIR分析を試みた。