抄録
その構造に、起源が不明瞭である極端に少ない個数の Al 原子によって記述されたクラスターを有し、実際の試料と比較して密度等に矛盾点を示す AlCuRu 系 1/1 結晶の構造モデルが、Sugiyama 等によって提案されていた [1]。粉末X線回折スペクトルを利用した Rietveld 解析の手法を用いることにより、この構造モデルの改良を試みた。実験室系データの解析によって、内殻クラスターあたり 8~9 個の原子によって構成される自然に理解される構造単位を有し、実際の試料の密度を再現する実態に近い構造モデルが得られた。その構造の細部には未だ検証すべき部分が残されているが、構築した構造モデルを基として更に洗練することが可能である。更なる構造モデルの洗練、および4元系の AlCuRuMn 系 1/1 立方晶近似結晶の Mn 置換位置を明らかにするために軌道放射光 (SPring-8) での実験を行い、解析を試みたが、意味のある解析はできていない。