抄録
強いスピン-軌道相互作用を持つ金属と強磁性体との界面がスピントロニクスの舞台として注目を集めている。本研究では非磁性体金属 SrIrO3 と強磁性金属 SrRuO3 との間の磁気的相互作用の符号を Ir L 吸収端でのX線磁気円二色性(XMCD)により測定した。Sr(Ru,Ir)O3 混晶薄膜の Ir サイトに誘起されたモーメントは SrRuO3 と逆向きで、先行研究における SrIrO3/SrRuO3 界面と同じ符号を得た。このことは磁気近接効果に対する超交換相互作用の寄与を示唆している。